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火星で採取された未知の生命体。各国から集められた6人の宇宙飛行士が国際宇宙ステーションで研究調査を開始したが、生命体は急速に成長し、高度な知能を身につけて宇宙飛行士たちを次々と襲っていく。監督は、主演のひとりライアン・レイノルズと『デンジャラス・ラン』で組んだダニエル・エスピノーサ。脚本は『デッドプール』のポール・ワーニック&レット・リースが担当。ほかにジェイク・ギレンホール、レベッカ・ファーガソン、真田広之らが共演。
言いたい放題
キット♤ 最近はとんと聞かなくなったけど、”マーフィーの法則”ってあったやん。「失敗する可能性があるものは、いずれ失敗する」みたいな人生訓。この法則をそのまんま映画化したみたいな作品やな。
アイラ♡ 着想自体には決して新味はないのやけどね。
♤ うん。宇宙空間を舞台にしたSFはたくさんあるし、類似性で探すなら、密閉空間での捕食生物との戦いでは『エイリアン』、宇宙ステーションでの活動と脱出では『ゼロ・グラビティ』、地球外生命との戦いと地球への侵入阻止では『プロメテウス』あたりを必然的に連想する作り。ただしこれらの作品では、想定外のトラブルに見舞われて悲惨なことになりつつも、主人公の機転で悪いなりでも最善の結果になるんやけど、本作ときたら・・・。
♡ まぁ、地球外生命体がみなさん友好的とは限らないし、最悪の出会いを想定すればこんなこともあり得るはずってことやろけどね。
♤ 火星から採取されたゾウリムシのような地球外生物”カルヴィン”。最初はなんだか可愛らしくて、ちょっとずつ成長してきれいな花のような形になる。ところがさらに成長して、半透明のタコかヒトデみたいになるに伴って『エイリアン』並みに気味の悪いやつになっていく。
♡ 見た目の愛らしさにほだされてたらあかんっちゅう話。正体はもう邪悪そのもの。妙に賢いし。過去の名作SFに鑑みるなら、これはやっぱり『エイリアン』の系譜。
♤ 出演者は国際宇宙ステーションの乗員6人だけ。国籍はアメリカとイギリスが2人、日本とロシアが各1人。最近の映画では中国での興行を考慮してか中国籍の役や俳優起用が多くなってるけど、真田広之が日本人エンジニア「ショウ・ムラカミ」として出演している。
♡ 彼はいいね。冷静沈着で思慮深く、出しゃばらない。国際社会のなかで日本人はこうありたい!という理想的な姿で描かれてる(笑)
♤ 鳴かず飛ばずの俳優生活から『デッド・プール』でブレイクしたダイアン・レイノルズは、冒頭の火星探索から戻ってくる故障した宇宙船をマニュアル操作のアームで捕まえる。この宇宙ステーションのチームで計画が予定通りに事が運んだのはこれが最後で、あとはやることなすこと裏目に出るという展開。
♡ なんか全員がだめだめ科学者の集団って様相で、実はコメディちゃうかって気にさせられるほど。カルヴィンと戦うのに、みんなそれぞれに強気そのものの戦略判断をするのやけど、どこにその根拠が示されてた~? 当然何してもうまくいかないわ、あんな死に方したくないわ・・・で。
♤ 変な役が板についてしまったジェイク・ギレンホールは、宇宙滞在が長くて地球に戻りたくない宇宙飛行士役で、最後に男気を見せる役やったはずが、これまたう~ん。
♡ あ、ちなみに『デッドプールの』制作チームが手がけてる。
♤ ステーション内の無重力状態、船外活動のシーン、カルヴィンの動きなどVFXは手抜きなくしっかり撮ってる。いくつか細かな突っ込みたくなるところはあるが、一応ストーリに破綻もない。特定のヒーロー/ヒロインを作らない脚本は、終わってみるとその通り、実はコメディちゃうのかと思わせる微妙な味わいがある。大きくなったカルヴィンが結構気持ち悪いのでもう一度観たいとは思わないが、映画自体は嫌いじゃない。
♡ やっぱり白眉は何といってもラストシーン。この「ええ~~~~っ!」な感じはSF映画史に残るのではないでしょうか(・.・;) ホラー映画やね。
予告編
スタッフ
監督 | ダニエル・エスピノーサ |
脚本 | レット・リース |
ポール・ワーニック |
キャスト
ジェイク・ギレンホール | デビッド・ジョーダン |
レベッカ・ファーガソン | ミランダ・ノース |
ライアン・レイノルズ | ローリー・アダムス |
真田広之 | ショウ・ムラカミ |
アリヨン・バカーレ | ヒュー・デリー |
オルガ・ディホビチナヤ | エカテリーナ・“キャット”・ゴロフキナ |