レビュー

ワンダーウーマン(Wonder Woman)

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ワンダーウーマンのポスターキット ♤ 3.0 ★★★
アイラ ♡ 3.0 ★★★

DCコミックスの女性ヒーロー、ワンダーウーマンを主演とするアクション作。ガル・ギャドットが演じるワンダーウーマンは、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』で初登場。女性だけの島のプリンセスとして生まれ、勇猛な戦士として育ったダイアナが最強の女戦士=ワンダーウーマンとなっていっく序章を描く。女性しかいない島で大切に育てられてきたダイアナは、一族で最も強い者にしか持てないといわれる剣を手にするため修行に明け暮れていた。ある日、島に不時着した連合軍スパイのスティーブと出会ったダイアナの運命は大きく変わっていく。スティーブには『スター・トレック』シリーズなどのクリス・パイン。監督は『モンスター』などのパディ・ジェンキンス。

 

言いたい放題

キット♤ 「マーベル・コミックス」のライバル「DCコミックス」のヒーローがクロスオーバーする「DCエクステンデッド・ユニバース」シリーズのひとつ。シリーズでは『マン・オブ・スティール』『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』『スーサイド・スクワッド』に続く4本目となるわけやな。で、そのうちAクラスのヒーローを集めたのが『ジャスティス・リーグ』で、バットマン、スーパーマン、ワンダーウーマンが主要ヒーロー。ワンダーウーマン単独主演作品はこれが初めてやけど、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』の最後の20分くらいで、何の前触れもなく突如ワンダーウーマンが参戦してくる。これが初登場。悪者レックス・ルーサーが作ったクリプトン星由来の怪物と戦うんやけど、スーパマンに劣らぬ戦闘能力を見せる。バットマンは強化服を着ているとはいえ、生身の人間なので戦闘場面では分が悪い。結局スーパーマンは死んでしまい、離れたところからその埋葬をブルース(バットマン)と並んで見ているダイアナ(ワンダーウーマン)が、「100年前人類から距離をおいた、恐怖の世紀からね。」と言うセリフがある。

アイラ♡ ほほ~。

♤ 本作は第一次世界大戦の時代、つまりいまから約100年遡った時代が舞台。女だけが住むアマゾン族の王女がダイアナ(ガル・ガドット)で、その島を見つけたドイツ軍と連合軍のスパイ、スゲィーブ・トレバー(クリス・パイン)が島に不時着して、彼女がそれを救うという設定。隔絶された秘密の島が簡単に発見されたり、ダイアナが世界を救うためにスティーブと一緒に島を出ると直ぐにロンドンに到着するところなんかはご愛嬌や。

♡ ほぉ~。よぉ知ってるのねぇ。マーベルやDCものは、徹底的に娯楽作として観るから、どんなに荒唐無稽でもぜんぜん気にはならないのやけど、第一次大戦の時代を舞台にしたのは面白かったわ。ヒーロー/ヒロインは時代を超越するんやものね。で、ドイツ軍と戦うんかと思ってたら、やがてラスボスとの最終決戦へと話は大きく転換。ほんとにドイツ軍って簡単に悪者にされてしまうのね。しかも相手は兄ちゃんやというやないの。無性生殖かと思ってたら・・・。

♤ いきなり前線に出ていって、ドイツ軍の弾丸を腕輪で弾きながら一人突進していくあたりからどんどん只者ではなくなって、とにかく気持ちよく暴れまくるんや。作品中では何の説明もないけど、時間とともに戦闘能力は人間離れして、最後はゼウスの息子で悪の元締めアレスと超人の戦いを繰り広げる。最初の話では、ダイアナは母親が粘土で作った体にゼウスが命を吹き込んだといわれてたけど、実はゼウスとアマゾン族の母親との間の娘だったことが判明。道理で人間離れしてるわけ。ライバルのマーベルでも「マイティ・ソー」兄弟は神話出身なので、ギリシャか北欧かの違いはあるが似たようなもんやな。

♡ 私は、最初はなんかふわんとした道義感みたいなところからロンドンへ来たダイアナが、実戦を経て自らが何のために戦うのかを深めていく過程が面白かった。もちろんそれは、スーパーヒーロー誕生への後付け理屈ではあるんやろけど。

♤ 娯楽作という意味では映像、アクションともに楽しめるけど、ダイアナの能力が高まっていくその部分については、もっと説明があってもよかったんちゃうかと。そこまで強いんやったら出し惜しみするなよ!って思ったな。あと、クリス・パインが引き連れる三馬鹿トリオみたいなのが、しょぼすぎ。クリス・パイン自身もワンダーウーマンの添え物みたいで影が薄かった。

♡ うん、そこはせっかくクリス・パイン使いながらちょっと残念やったね。あとで懐かしがってもらえる相手ではあるのやけど・・・。三馬鹿の一人が『トレイン・スポッティング』のユエン・ブレムナーやったね。あと、ラスボスが「ハリー・ポッター」シリーズでホグワーツ校の先生してたデヴィッド・シューリスってのが、どうもしっくりこなくて・・・(笑)

♤ コミック原作映画の中では世間の評価が高いようで、ちょっと意外な気がする。映画の出来としては『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』の方が超能力を持つがゆえに神に近づくスーパーマンと人間バットマンとの対立や苦悩を描いていて奥が深いと思うんやけどな・・・。主役が女性ということで、見られ方が違うのかも知れんけど。

♡ 何といっても、ガル・ギャドットの凛々しい美しさがええやん! 適度にコミカルなキャラもこなせるし。これからが楽しみよ。彼女とて、苦悩しながら意思を持ってスーパーヒーローへの道を選んでいくわけやしね。ただそこがしっかり描けていたかというと、作品全体のまとまりや説得力という点ではちょっと粗かったかなぁ。

♤ 「DCエクステンデッド・ユニバース」の次の映画はそのタイトルも『ジャスティス・リーグ』。バットマンがリクルートする「アクアマン」「フラッシュ」「サイボーグ」といった日本ではあまり有名でない超人と一緒にワンダーウーマンも主要メンバーとして参加している。死んでしまったスーパーマンはポスターに入っていないが、そろそろ復活するような気がする。コミックヒーローのクロスオーバー映画ではマーベルから遅れたが、DCエクステンデッド・ユニバースにはAクラス超人の『ジャスティス・リーグ』だけでなく、悪役を集めた『スーサイド・スクワッド』があって、これは結構好きやねん。こちらも続編の計画があるらしいので楽しみではある。

 

予告編

スタッフ

監督 パティ・ジェンキンス
脚本 アラン・ハインバーグ

 

キャスト

ガル・ギャドット ダイアナ/ワンダーウーマン
クリス・パイン スティーブ・トレバー
ロビン・ライト アンティオペ
ダニー・ヒューストン ルーデンドルフ
デビッド・シューリス パトリック卿
コニー・ニールセン ヒッポリタ
エレナ・アナヤ マル博士
ユエン・ブレムナー チャーリー

レクタングル336

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