おすすめ度
キット ♤ 2.5 ★★☆
アイラ ♡ 3.0 ★★★
夫に先立たれた元教師のエヴァ(シャーリー・マクレーン)。長年連れ添った夫に先立たれるが、生命保険会社の手違いで多額の保険金を受け取ってしまう。返金しようとエヴァだったが、親友のマディの提案でカナリア諸島への豪華バカンスに出発。同じころ、保険会社の職員ヴェスプッチが払いすぎた保険金を回収するため、エヴァの娘(デミ・ムーア)を伴ってその後を追いかけていた。
言いたい放題
キット♤ 今年83歳のシャーリー・マクレーンと68歳のジェシカ・ラングがまだ元気なところを確認する映画。
アイラ♡ 『ジーサンズ』に続き、名優の演技無駄遣いみたいな作品でやね(笑)『バーサンズ』。
♤ シャーリー・マクレーンは、ビリー・ワイルダー監督の『アパートの鍵貸します』と『あなただけ今晩は』の2本でもう十分値打ちのある女優と思っているので、それ以外の出演作がどんなにひどくてもOKという気分ではある。ジェシカ・ラングはデビュー作が『キング・コング』だったので、見た目だけの女優と思っていたら『郵便配達は二度ベルを鳴らす』で見直し、翌年の『トッツィー』ではアカデミー主演女優賞を獲ってしまう頑張り屋。
♡ この組み合わせなら・・・!と期待したけど、脚本がだめやったかな。
♤ うん、相当荒っぽい筋立て。エヴァ(シャーリー・マクレーン)の夫の死亡保険金5万ドルを保険会社が間違って500万ドルにしてしまったのを良いことに、長年の親友マディ(ジェシカ・ラング)と一緒にカナリア諸島へ遊びに行って散財するという話にすぎない。詐欺師に騙されるトラブルも、エヴァがカジノでたまたま数十万ドル稼いでたので無事解決というご都合主義。
♡ この手のコメディで多少のご都合主義はありかと思うけど、『ジーサンズ』同様、人生の機微や心のひだをいかようにも演じられる女優たちだけに この脚本はかなり残念。
♤ シャーリー・マクレーンはだいぶ貫禄はついたけど、もともと美人というより愛嬌のあるタイプ。ジェシカ・ラングも首筋のしわとかに年齢を感じさせるけど、まだまだスタイルもよくてかっこいい。
♡ その意味で、もっと使いようのある役者たち。せっかく恋愛模様を絡ませてるのやから、あんなちゃらい展開にせんと、いい人生を重ねてきた大人の女の立ち居振る舞いをじっくり見せてみるとか、方法はあったと思うのやけどねぇ。生真面目な元教師と、ちょっと奔放だった元美女の人生経験をもっと掘り下げるとかね・・・。女性に見せたいのなら、ゴージャスなファッションやレストランなどのシーンに時間を割いて目を楽しませてくれてるのでよかった。カナリア諸島の町並みは素敵やったけど!
♤ まあ、コメディなのでなんとか見れるけど、冒頭の葬儀シーンで、自分の身内の葬式でもないのにジェシカ・ラングがやたら泣きまくる吉本みたいな演出にはイライラさせられた。
♡ エヴァがかつてはとても熱心な教師だったことを窺わせる場面がいくつかあって、そういう設定もただ命拾いのきっかけとして使うだけじゃなく、もっと上手に活かす方法はあったよね。あ、でも教師時代はやたら ”コロンブス” に詳しかったエヴァたちを追いかける保険会社の職員の名前が ”ベスプッチ” ってくすぐりはちょっと面白かったけど。
♤ 娘役のデミ・ムーアもえらい地味な役で、あえてこんな役に起用したとしてももったいない。他に観るべきところがないままなんとなく見終わってしまった。シャーリー・マクレーンとジェシカ・ラングがまだ元気で良かったという映画でした。
予告編
スタッフ
監督 | アンディ・テナント |
脚本 | クローディア・マイヤーズ ゲイリー・カニュー |
キャスト
シャーリー・マクレーン | エヴァ |
ジェシカ・ラング | マディ |
ビリー・コノリー | チャンドラー |
デミ・ムーア | クリスタル |