レビュー

アサシン クリード(Assassin’s Creed)

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おすすめ度

「アサシンクリード」のポスターの写真

キット♤ 2.0★★
アイラ♡ 3.0★★★

世界的に人気の同名ゲームシリーズを映画化。主演はマイケル・ファスベンダー。死刑囚カラム・リンチの祖先は、ルネサンス期のスペインでテンプル騎士団に立ち向かうアサシン教団を率いる伝説の暗殺者。ある秘宝の行方を知る史上最後の人物だったことから、子孫であるカラムは最新の遺伝子研究によって祖先の記憶を追体験し、秘宝の行方を探ることに。主人公とその祖先にはマイケル・ファスベンダー。共演にマリオン・コティヤール、ジェレミー・アイアンズ、シャーロット・ランプリングら。監督は『マクベス』でマイケル、マリオンと組んだジャスティン・カーゼル。

 

言いたい放題

キット♤ 「Creed」とは「信念」とか「信条」という意味。この映画では「テンプル騎士団」と対立する勢力としてアサシン(=暗殺者)教団が存在していて、歴史的に相互に争ってきたという設定なので、アサシン教団の一員としての気概とか信念といった意味かな。ユービアイソフトのゲームを映画化したものなので、ゲームをプレイした人たちには、映画での再現性とかキャラクター設定の比較とか、類似シーンの有無とか、楽しめるポイントがあるのかもしれないけど、やったことないからそこはなんとも言えない。

アイラ♡ 発想自体は、タイムトラベルとバーチャルリアリティーを混ぜたようで、わりとユニークさを感じたわ。肉体と意識が切り離されているのは、ちょっと『アバター』に通じるとこもあるけどね。

♤ 出だしは悪くなかったな。テンプル騎士団とアサシン教団の説明のナレーションが流れた後、舞台は1986年、主人公カラム・リンチの少年時代から始まる。カラムの母親が自宅で殺されていて、父親が殺したらしいんやけどよく分からない。やがて襲撃者がやってきて、父親の「逃げろ」という言葉のままに脱出。うまく逃げおおせたところでシーンは30年後に飛ぶ。カラムはテキサスで死刑囚になっていて、死刑執行されたかと思うと実は生かされている。アサシン教団の首領アギラールの子孫であるとわかったカラムを活かし、受け継いだ遺伝子から過去の記憶を引き出そうということらしい。

♡ 研究を主導するソフィア・ライキン博士(マリオン・コティヤール)が「アニムス」という遊園地の乗り物みたいな機械にカラムを乗せ、彼の脳神経とコンピュータを接続して、500年前のアギラールの行動を追体験させることで祖先の記憶にある宝物「エデンの果実(Apple of Eden)」の在処を探ろうという話のようなんやけど・・・。

♤ 遺伝子と記憶はまったく別物やろ~。記憶が遺伝することは科学的にない。「エデンの果実」とやらを巡って騎士団とアサシン教団が争っていたといことは分かったけど、この秘宝が何なのかについての説明がない。なんか人間の争いをなくせるものらしいのやけど、テンプル騎士団はこれを悪用して世界制服を図っているようにも受け取れる。ストーリーの骨子に弱点がありすぎ。

♡ でも映像はよかったよね。現代のほうは最近のSFものにありがちな無機質な室内ばかりでちっとも面白くないけど、中世スペインのほう。特に街全体を俯瞰する場面は、悠然と空を舞う猛禽類の視点も織り交ぜたような斬新さで目を見張ったわ。砂に煙ったような遠景や街の様子なども精緻に作ってあったし。

♤ 捕獲されたアギラールと相棒の女性マリア(アリアンヌ・ラベッド)がキリスト教徒による処刑から逃れ、追手と戦いながら逃走していくシーンはこの映画で一番のハイライトやな。

♡ うん。中世版『マッドマックス』みたいやった!

♤ かたや現代側がさっぱりや。カラムは捕らえられていたらしい父親と対峙するんやけど、そこでの会話の内容がよく分からん。ラストシーンも、ソフィアの父であるアラン・リッキン(ジェレミー・アイアンズ)が実はテンプル騎士団の一員で、「エデンの果実」を手に入れながら簡単にやられてしまうお粗末さ、というか支離滅裂。

♡ ジェレミー・アイアンズやマリオン・コティヤールを使いながら勿体なかったわね。シャーロット・ランプリングなんて、何のためにおるのかもわからないような役で気の毒なくらい。世代の異なる2人の女優をまったく魅力的に撮ってないのも大いに不満。設定がこれだけ曖昧やのに、すでに続編を予感させる作りになってるのもねぇ・・・。

♤ テンプル騎士団について調べてみると、起源は第1回の十字軍にまで遡る1119年。対イスラム勢力との戦いで活躍したが、その豊富な財力を狙ったフランスのフィリップ4世の策略で1307年に異端として壊滅させられている。異端と戦ったのに異端として壊滅する悲劇的な最後は、『スター・ウォーズ』でパルパティーンのオーダー66で壊滅させられたジェダイ騎士団を連想する。ともあれ、イベリア半島におけるキリスト教とイスラム教の関係という史実にはまったく沿ってなくて、史実の細部を都合よくつまみ食いして組み立てただけって感じ。

♡ ダン・ブラウン的というか、『ダ・ヴィンチ・コード』や『インフェルノ』にも通じるご都合主義よねぇ。星2.5でもいいけど、中世スペインの映像の美しさとそこに要した膨大な労力に敬意を表して、ちょっとだけ星を足しておくとします。

 

予告編

スタッフ

監督 ジャスティン・カーゼル
脚本 マイケル・レスリー
アダム・クーパー
ビル・コラージュ

 

キャスト

マイケル・ファスベンダー カラム・リンチ/アギラール
マリオン・コティヤール ソフィア・ライキン博士
ジェレミー・アイアンズ アラン・ライキン
ブレンダン・グリーソン ジョセフ
マイケル・K・ウィリアムズ ムサ
アリアンヌ・ラベッド マリア
シャーロット・ランプリング エレン・ケイ

 

レクタングル336

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