おすすめ度
キット ♤ 3.5 ★★★☆
アイラ ♡ 3.5 ★★★☆
戦地から遠く離れた場所で衛星やドローンから送られる映像を見ながら攻撃作戦を実行していく・・・現代型戦争の姿を見せつける軍事サスペンス。英米合同軍事作戦を指揮するイギリス軍側のキャサリン・パウエル大佐と、協力して動く国防相のベンソン中将。彼らはナイロビで大規模自爆テロ計画が進行中であることを突き止め、ネヴァダの米軍基地にいるドローン・パイロットのスティーブに攻撃命令を下すが・・・。テロリスト殲滅と民間人の殺傷可能性との狭間で、苦渋の選択が迫られる。
言いたい放題
キット♤ 邦題から、みんなで部屋にこもって遠隔操作でピンポイント攻撃しまくる話かいなと思ってたら、予想とはだいぶ違ってたな。
アイラ♡ 全編ビデオゲームみたいな画面ばっかりとか・・・(笑)
♤ 最終的に必要なのは現場で手と足と目を駆使する偵察部隊やし、当然ながらこれが相当な危険任務。人工衛星やドローンはリアルタイムで精密な現地画像を送ってくるけど、それでは見えない室内の偵察とか、作戦実行のための細かい工作は生身の人間がやらざるを得ない。
♡ その偵察員役で、『キャプテン・フィリップス』でソマリア人の海賊を演じたバーカッド・アブディの存在感がよかったね。
♤ ハチドリ型や昆虫型のロボットカメラをタブレットで操縦しながら、敵アジトの室内を中継するんやけど、実際にこんな装置が存在するのかどうか知らんし、ちょっと怪しいとこはあるけど、あのシーンは面白かったな。
♡ 職務の縦割りを理由に何も決断できない政治家たちと、手続きをショートカットしてでも早く攻撃したい軍上層部の対比も見どころやったね。民間人を巻き込むかもしれないというところで手続きにこだわる担当者はもはや滑稽で、なんか『シン・ゴジラ』が戯画化してた官僚や政治家たちを思い出してしもた。
♤ しかも彼らは攻撃地から遠く離れたイギリスやアメリカにおるんやからね。あの対比のなかでは、作戦遂行を担う軍人側に肩入れしたくなるけど、それぞれに貫くべき立場がある。ただ、映画のなかで描かれた攻撃までの手続き、たとえば民間人への被害想定を毎回確率計算して攻撃を実行しているのかどうか。こうした方法が真実なのかフィクションなのかは観ているだけではわからないけど、ドローン攻撃で民間人が大勢巻き込まれて死傷している現実をみると、実際のところはどうなんやろと思ってしまう。
♡ 発射ボタンを委ねられたパイロット役に、TVドラマの『ブレイキング・バッド』のジェシー役でエミー賞をとったアーロン・ポール。ある意味もっとも人間味に満ちた役どころ。見た目えらい可愛いのに、鬱積した怒りや狂気を目もとに表現できるええ俳優やと思うわ~♪
♤ イギリス軍の将校役のヘレン・ミレンはもう70歳くらいやのに元気やね。最近は重厚さのある役が多いけど、このしゅっとした軍人役も新鮮でかっこよかった。
♡ それと、これが遺作となったアラン・リックマンの存在感。「軍人に戦争の代償を知らないと言ってはならない」という静かな怒りが作品に余韻を与えます。
予告編
スタッフ
監督 | ギャビン・フッド |
脚本 | ガイ・ヒバート |
キャスト
ヘレン・ミレン | キャサリン・パウエル大佐 |
アーロン・ポール | スティーヴ・ワッツ |
アラン・リックマン | フランク・ベンソン中将 |
バーカッド・アブディ | ジャマ・ファラ |
ジェレミー・ノーサム | ブライアン・ウッデール |
イアン・グレン | ジェームズ・ウィレット英外相 |
モニカ・ドラン | アンジェラ・ノース |
フィービー・フォックス | キャリー・ガーション |