レビュー

犬ヶ島(Isle of Dogs)

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おすすめ度

Isle of Dogsキット ♤ 4.0 ★★★★
アイラ ♡ 4.0 ★★★★ 

『グランド・ブダペスト・ホテル』など独特の世界観を表現するウェス・アンダーソン監督が、日本を舞台に描くストップモーションアニメ。犬インフルエンザの蔓延で犬たちが離島に隔離された近未来の日本。メガ崎市では、犬たちは沖合のゴミ処理場「犬ヶ島」に隔離され、主人公の少年アタリは愛犬スポッツを探すため、ひとり小型飛行機で犬ヶ島へ向かう。声優にビル・マーレイやエドワード・ノートンらアンダーソン監督作品の常連俳優のほか、スカーレット・ヨハンソン、グレタ・ガーウィグ、オノ・ヨーコ、日本からも渡辺謙や夏木マリらなどが参加。第68回ベルリン国際映画祭のオープニング作品として上映され、コンペティション部門で監督賞(銀熊賞)を受賞した。

 

言いたい放題

アイラ♡ ウェス・アンダーソン作品がストップモーションになってやってきた!

キット♤ アンダーソン監督は、実写でも独特の色使いとカメラの動きで絵本のような綺麗な映画を撮るというイメージがあるけど、人形を使った立体アニメにすることで、被写体のおもちゃのような動きと独特の色彩とが相まってさらに深みのある世界を作っている。
舞台は、日本のどこかにある「メガ崎市」という未来都市と、そこのゴミの島である「犬ヶ島」・・・という設定は斬新やし、登場する人間や犬たちのキャラクターも立っててなかなかよい。ストーリーはごくシンプルなものやけど、これは物語を楽しむ作品というよりは全体の雰囲気と随所に埋め込まれた細かいこだわりを味わったり楽しんだりするもの。

♡ 黒沢明や小津安二郎などへのオマージュやトリビアが散りばめらてれいるということのようやけど、残念ながらあまり気づかなかった・・・。アタリと犬たちの出陣では『七人の侍』のテーマが流れたけどね! 

♤ うん。『酔いどれ天使』のテーマも使われているようなので、黒沢作品を全部しっかり観てたらもっと楽しめたな。ちょっと反省。制作スタッフを見て気がついたのは、日本人で参加しているのは原案の野村訓市だけで、ほとんどが外国のスタッフによって作られていること。しかも脚本はアンダーソン単独によるものなので、この映画は彼の頭の中にある「日本」のイメージを具現化したものだろう。タコの刺し身の切り方が変とか、サバのような魚をまな板へ置く向きが左右反対とか、突っ込みたくなるところもあるが、それもご愛嬌。

♡ けど、刺し身やお寿司の作り方はちょっと変ではあったけど、日本の職人仕事の正確さや丁寧さなど、意外な細部に気づいて表現してるやん!と思うところもあって、日本オタクのアンダーソン監督が知識をひけらかしてると考えるとなかなか楽しい。彼の作品には、現実にはいそうもない奇妙な人々が暮らす居心地のいい世界があって、それが好きな人にとって、これまたたまらない魅力に溢れた新作やと思う。

♤ 豪華なのが声優陣。有名どころではナツメグのスカーレット・ヨハンソン。あと、セリフの多いチーフをブレイキング・バッドのブライアン・クランストンが演っているとか、チョイ役とはいえ、フランシス・マクドーマンドやオノ・ヨーコが出演している。それに加えてアンダーソンの映画では常連組のビル・マーレイ、エドワード・ノートン、ボブ・バラバン、ジェフ・ゴールドブラムといった面々を贅沢に脇役の犬たちに振り分けている。

♡ 難を言うと、スクリーンに一度に複数言語が表示されることがあって、それが早いスピードで入れ替わるうえに小さい文字も含まれていて、全部を読んでいられなかったこと。まぁ、読まなくてもとくに支障はないんやけど・・・。

♤ TOHOシネマズ 六本木ヒルズで観たけど、撮影に使ったセットがロビーに展示してあった。細部まで作り込んだもので、なかなか興味深かったな。これを少しずつ動かしてコマ取りするんやと思うと気が遠くなる。

 

予告編

スタッフ

監督 ウェス・アンダーソン
原案 ウェス・アンダーソン
ロマン・コッポラ
ジェイソン・シュワルツマン
野村訓市
脚本 ウェス・アンダーソン

 

キャスト

コーユー・ランキン 小林アタリ
リーブ・シュレイバー スポッツ
ブライアン・クランストン チーフ
エドワード・ノートン レックス
ボブ・バラバン キング
ビル・マーレイ ボス
ジェフ・ゴールドブラム デューク
スカーレット・ヨハンソン ナツメグ
F・マーレイ・エイブラハム ジュピター
ティルダ・スウィントン オラクル
野村訓市 小林市長
高山明 メイジャー・ドウモ
伊藤晃 渡辺教授
オノ・ヨーコ 科学者助手ヨーコ・オノ
グレタ・ガーウィグ トレイシー・ウォーカー
村上虹郎 ヒロシ編集員
フランシス・マクドーマンド 通訳ネルソン
野田洋次郎 ニュースキャスター
渡辺謙 筆頭執刀医
夏木マリ おばさん
ハーベイ・カイテル ゴンド
フィッシャー・スティーブンス スクラップ
コートニー・B・バンス ナレーター

 

レクタングル336

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