レビュー

ドクター・ストレンジ(Doctor Strange)

投稿日:2017年2月20日 更新日:

おすすめ度

「Docotor Strange」のポスターの写真

キット ♤ 4.0 ★★★★
アイラ ♡ 3.5 ★★★☆

『アベンジャーズ』シリーズ等のアメコミ・ヒーロー世界であるマーベル・シネマティック・ユニバースに連なる新作。傲慢だが天才的技術を持つ神経外科医ドクター・ストレンジ。不慮の事故で両手の機能を失った彼は、治療のためにすべてを投げ打つが医学には見放され、八方手を尽くすうちに神秘的な東洋の魔術の力と出会う。はるか遠いヒマラヤの地で魔術の習得に励むストレンジは、やがて強大な敵との戦いに巻き込まれていく。

 

言いたい放題

キット♤ マーベルの映画って、どこかアメコミの安っぽさが抜け切らなくて、馴染むとそれがまた良かったりする。ディズニーの傘下に入って資金が潤沢になったせいか、特撮がより豪華になったけど、あくまでリッチなB級映画という味わいが残ってる。

アイラ♡ そこへ持ってくるのがベネディクト・カンバーバッチさまやから、私としてはたまりません! SFは『スター・トレック イントゥ・ダークネス』で経験済みやけど、今回はコミカルな一面も強調されて魅力的なキャラになってたね。

♤ うん、この配役はうまくいったと思う。魔法使いに弟子入りした当初、誰も笑わないジョークを連発してスベったり、他の弟子たちがちゃんとできている訓練でショボイ結果しか出せなかったり、ひょうきんな面を見せている。弟子入り先で兄弟子のモルドから文字の書かれた紙切れを渡され、ストレンジが「マントラか?」と聞いて「WiFiパスワードだ」と返されたところは爆笑。

♡ こういうとこベネさまにぴったりやね。とはいえ、修行中の身にもかかわらず強大な敵と対決する設定には無理も感じたけど。

♤ そう。たいした修行期間も経てないわりに、いきなり兄弟子らを差し置いて主力選手やもんな。ある魔法アイテムにまで気に入られて、あっというまにいっぱしの魔法使いの身になってしもてるし。

♡ え~、アイテムになつかれるシーンはかわいくて最高やん! 

♤ 戦い方はというと、『ハリー・ポッター』シリーズみたいに杖と呪文で魔法をかけるんやなくて、魔法で武器となる力を呼び出して肉弾戦をやるような感じ。だからって、なんでそれで急に武闘家のような動きができるようになるのかは不明やけど、まあ原作はイギリスの小説やなくてアメコミなので細かなところは気にしない。

♡ あと、時間を操ってねちっこい反復攻撃をしかけて相手を嫌がらせるとこ。最強敵とのバトルやというのに、あのしつこさは笑わずにおれなかった。

♤ そうかぁ? 時間を操作するのはこの手の映画では禁じ手やと思うけどなぁ。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズのように最初から時間移動する前提で作られた話でもタイムパラドックスの危険はあるのに、お手軽に時間を戻してしまうと当然のことながら、「なんでもっと肝心なとこまで戻されへんの?」というような疑問が出てくる。

♡ それを言うたらおしまいやん(笑) アメコミつかまえてそんな突っ込み入れること自体が禁じ手やわ。

♤ まぁな。そういうとこまで含めてのマーベル映画やし。それより、特殊撮影はすごくよくできていて初期のマーベル作品のような安っぽさはない。2Dで観たけど、魔法で空間を歪めてビルが建ち並ぶ景色を曲げたり折りたたんだりするところは3Dで観たほうがよかったかもしれない。

♡ 『インセプション』よりず~っとすごいという評判も聞くね。なんか立体万華鏡みたいやった。私自身はカエシリウス役で、先日『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』でジンの父を演ってたデンマークのマッツ・ミケルセンの存在に凄みがあってよかったな。ティルダ・スウィントンも悪くなかったけどね。

♤ 全体にとてもよかったとは思う。ただ、確実にシリーズ化されるであろうマーベル作品に出続けることが、カンバーバッチの今後のキャリアにとってどうなんやろという疑問はある。彼の才能を考えれば、この種の映画は単発で十分で、アカデミー賞を取れるような作品での役柄に向かって欲しい気がする。

♡ うん、マーベルへの出演はお座興程度にしといてほしいかも。

♤ マーベル作品って、エンドクレジットのあとにちょこっとおまけ映像が流れるやん。観客もそれを知ってるから誰も最後まで席を立たないのやけど、今回はなんと『アベンジャーズ』のマイティ・ソーと寛いでいるシーンが付いててウケた。ということは、次回作ではアベンジャーズと交流するということか? ちょっと楽しみではある。

♡ 私は、そこまではやめといてほしいなぁ・・・。

 

予告編

 

スタッフ

監督 スコット・デリクソン
脚本 スコット・デリクソン
C・ロバート・カーギル

 

キャスト

ベネディクト・カンバーバッチ ドクター・ストレンジ
キウェテル・イジョフォー モルド
レイチェル・マクアダムス クリスティーン・パーマー
ベネディクト・ウォン ウォン
マイケル・スタールバーグ ニコデマス・ウエスト
ベンジャミン・ブラット ジョナサン・パンクボーン
スコット・アドキンス ストロング・ゼロッツ
マッツ・ミケルセン カエシリウス
ティルダ・スウィントン エンシェント・ワン

レクタングル336

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