レビュー

スノーデン(Snowden)

投稿日:2017年2月21日 更新日:

おすすめ度

「Snowden」のポスターの写真

キット ♤ 3.0 ★★★
アイラ ♡ 3.0 ★★★

アメリカ政府による個人情報監視の実態を元CIA職員が暴き、世界中を震撼させたあまりに有名な事件をオリバー・ストーンが映画化。主演はジョセフ・ゴードン=レヴィット。2013年6月、アメリカ政府が秘密裏に構築した国際的監視プログラムの存在を、イギリスのガーディアン誌が独占スクープで報道、世界が驚愕した。情報提供者は、アメリカ国家安全保障局NSAの職員である29歳の青年エドワード・スノーデン。輝かしいほどのキャリアと安定した生活を捨ててまで、なぜ彼はこのような行動に走ったのか。

 

言いたい放題

キット♤ 公開当初は特に観るつもりのなかった作品。まだ歴史的評価の定まっていない時事性の強い話題であることと、そんな段階で映画化しても、フィクションかバイアスのかかった内容にしかならないと思ったから。オリバー・ストーン作品やなかったら観なかったかもしれない。彼は『野蛮なやつら/SAVAGES』みたいな政治色のない娯楽映画も監督してるけど、過去の作品には社会派物、政界物が多いので、ドキュメンタリーという手法でなくても、実際何があったのかを窺い知ることができるのかなと思った次第。

アイラ♡ 問題提起という意味で、鮮度の高いうちにこの素材を扱っておきたかったんやろね。その点で、いま誰が撮るかといえば、やっぱりオリバー・ストーンを置いてほかになかった気がする。

♤ ロシア人が書いた『Time of the Octopus』という小説と、『スノーデンファイル 地球上で最も追われている男の真実』というドキュメンタリーの映画化権を取って原作にしてるそうで、自らもロシアへ渡って3度スノーデンと会ってるんやて。フィクションを含んでいると認めつつ、「誠実に作った」という彼の言葉を信じるならば、映画の内容は真実に近いものかなと思う。少なくとも、スノーデンやその支持者からみて納得できる内容という気はする。映画の最後には本人も出ているし。

♡ スノーデンが機密を持ち出すのにある小道具が使われているのやけど、オリバー・ストーンへのインタビューによると、実際は異なる方法だったらしいね。ほかにも事実はかなりぼかされ、単純化されてるようなので、スノーデンが置かれる立場に最大限配慮しつつ、可能な限りの再現を行ってるということなんやろね。当然やろけど。

♤ 逆にアメリカ政府、 NSA(アメリカ国家安全保障局)からするととんでもない映画ということになる。ただ、これがすべて事実だとして、これだけの緻密な監視システムを構築していたアメリカが、こないだの大統領選挙がロシアからのサイバー攻撃で干渉されたと言うてるのもなんかお粗末な話や・・・。

♡ ほんまやね。で、本作はごりごりの告発モノなのかといえば、娯楽映画としてのいろんな要素も巧みに織り込んで面白い作品に仕上げてると思った。たとえ100%フィクションのポリティカルサスペンスやったとしても、映画作品としての完成度は高いと思う。

♤ ぼくは映画そのものについては、う~んというか、いまひとつ入り込めなかった。冒頭、香港でメディアの人たちと秘密裏に会うところから始まるのはスリリングなドキュメンタリータッチでよかったけど、特殊部隊の訓練でしごかれたりする過去のシーンが多すぎてどうもしっくりこない。後半は、NSAの組織の内部とかハワイの地下基地など興味深いところも多かったんやけど・・・。

♡ 恋人とのやりとりにもだいぶ時間を割いてたのをみても、スノーデンが強い愛国心を持ったごく普通の青年だったということを強調したかったのと違うかな。彼女に何枚も顔写真を撮られる場面なんて、何かの伏線かしらと思って観たけどぜんぜん関係なかった(笑) とはいえ、映画に込められたメッセージは非常に強いし、あとスノーデンが横田基地に配属されたときのミッションというのが驚愕もんやった。

♤ 配役では、やっぱりスノーデン役のジョゼフ・ゴードン=レヴィットはよかったな。顔だちはそれほど似てないけど、雰囲気はかなり近い。『ガーディアン』の記者役のザッカリー・クイントは『スタートレック』シリーズのスポック役の人やけど、人間の格好してるのを見るのは初めてや!悪くない。あと、なぜかニコラス・ケイジがチョイ出演。その他は知らない俳優。

♡ いまだに完全に名前が覚えられないジョゼフ・ゴードン=レヴィット。ほんとはもっときんきんした高い声やけど、本人に近い低い丸みのある声色に変えてたね。俳優なら当たり前のことなんやろけど。

♤ ともあれ作品に込められた主張には共感できた。オリバー・ストーンは、映画の製作中はNSAの介入を避けるためにインターネットから遮断した世界で仕事をしていたと明かしている。たしかに20年前なら世界中の電話や通信を誰かが傍受しているなんて技術的に無理で終わっていたことが、いまだと出来ないわけがないと思うくらい技術の進歩は速い。個人の情報が知らない間に検閲され、不当な介入を受けることを甘受することは自分の人権を失っているに等しいという主張には説得力があった。せやけど、ちょっと肌に合わんというか・・・

 

予告編

 

スタッフ

監督 オリバー・ストーン
脚本 オリバー・ストーン
キーラン・フィッツジェラルド

 

キャスト

ジョゼフ・ゴードン=レビット エドワード・スノーデン
シャイリーン・ウッドリー リンゼイ・ミルズ
メリッサ・レオ ローラ・ポイトラス
ザッカリー・クイント グレン・グリーンウォルド
トム・ウィルキンソン イーウェン・マカスキル
スコット・イーストウッド トレバー・ジェイムズ
リス・エバンス コービン・オブライアン
ニコラス・ケイジ ハンク・フォレスター

レクタングル336

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