「ミレニアム」はスウェーデンの作家スティーグ・ラーソンによるベストセラー小説。今まで、第1部「ドラゴン・タトゥーの女」、第2部「火と戯れる女」、第3部「眠れる女と狂卓の騎士」が出版され、主人公リスベット・サランデルの強烈な個性が多くのファンの心をわしづかみにした。
映画化はまず母国スウェーデンで行われ、2009年に3部作が一気に公開されている。
「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」予告編
「ミレニアム2 火と戯れる女」、「ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士」予告編
このヒットに目をつけたハリウッドが2011年に第一部を原作にデヴィッド・フィンチャー監督、ダニエル・クレイグ、ルーニー・マーラ主演でリメイクし、「ドラゴン・タトゥーの女」として公開、これもヒットしたが、製作は第1部のみで続編の映画化は行われなかった。
「ドラゴン・タトゥーの女」予告編
このように小説、映画ともに成功したミレニアムだが、作者のスティーグ・ラーソンは2004年に心臓発作で亡くなっていて、その成功を目にすることはなかった。また、ラーソンは、ミレニアムを全10部作にする構想を持っていたらしいが、第4部を執筆中に亡くなって未完に終わっている。
その後、遺産相続で揉めているとかの噂があったが、2015年にスウェーデンの作家ダヴィド・ラーゲルクランツによって第4部が執筆、出版されている。翻訳版を読んでみたが、主要人物のキャラクターも前作を踏襲してイメージが保たれているだけでなく、文体もラーソンの3部作にかなり近いので全く違和感を感じなかった。
今回発表されたのはアメリカでの続編で、当然第2部が映画化されるのかと思ったが、なんと2と3を飛ばして第4部を元に映画化されるらしい。監督、キャストも総入れ替えとなるくらいしか分かっていないが、アメリカでの公開予定日は2018年10月となっているので、順調に製作が進めば来年末~再来年に掛けて日本で観ることができそう。できれば、スウェーデンでも第4部が映画化されて両方を観ることができればなお良いのだが。