レビュー

アントマン&ワスプ(Ant-Man and the Wasp)

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おすすめ度

Ant-Man and the Wasp

キット ♤ 3.5 ★★★☆
アイラ ♡ 3.5 ★★★☆

マーベルコミックを原作とする『アントマン』シリーズ第2作。体長1.5センチにまで小さくなれるアントマンと、今作から相棒となるワスプが主役の物語。大きくはマーベル・シネマティック・ユニバースに属する作品で、元泥棒のアントマンことスコット・ラングは2年前、アベンジャーズの戦いに参加したことがきっかけで、FBIの監視の下に自宅軟禁状態。あと数日でそこから解放されるというとき、アントマン・スーツの開発者であるハンク・ピム博士と、その娘ホープ・ヴァン・ダインが現れ、ある極秘計画への協力を要請。そこへピム博士の研究技術を狙う謎の敵ゴーストが現れる。監督は前作と同じくペイトン・リード。配役も、アントマン=スコット・ラング役にポール・ラッド、今作からワスプとなるホープ・ヴァン・ダイン役にエバンジェリン・リリー、ピム博士役にマイケル・ダグラスらが続投。ホープの母で先代ワスプのジャネット・ヴァン・ダイン役にミシェル・ファイファーが加わった。

 

言いたい放題

キット♤ マーベルのアメコミ原作の映画『アントマン』の2作目。マーベルの中ではアイアンマンを頂点とする元祖アベンジャースが1軍、あとから加わってきたドクター・ストレンジ、ブラック・パンサー、スパイダーマンあたりが2軍とすると、ガーディアン・オブ・ギャラクシー組とアントマンはギャグ、お笑いの比率が増えて3軍対応という感じかな。

アイラ♡ マーベル・シネマティック・ユニバースに属する作品群って、それぞれのキャラクターにある程度通じていないと置いてけぼりをくわされるとこがあってちょっと苦手やけど、この3軍組はそいう部分がなしに楽しめるのから好き。どちらもギャグの要素が大きいけど、『デットプール』ほど突き抜けたオタクギャグってとこまで行ってないし。

♤ 本作でも、主人公のスコット(ポール・ラング)がピム博士(マイケル・ダグラス)のキャンディの箱を指して「食べてもいい?」聞くと「ダメ」と言われるという軽薄なやり取りが繰り返されて、それが後の伏線になっていたりするところとか、なかなか安っぽくていい。

♡ このマイケル・ダグラスが実にいい、というか楽しみきってるよね。アメリカ映画には昔から、ここぞというところで妙に騒ぐ爺さんがよく出てくるけど、まさにそんな感じ。知性的な博士というより、ただの爺さん。聞くところでは、マイケル・ダグラス地震がハンク・ピムの前日譚の映画化を熱望しているらしいのね。本作でもCGの助けで若い時代を演じてたりもするし、映画の1本や2本プロデュースするくらいの力はあるし、実現しないとも限らない。

♤ 今回は、物質をすり抜ける“ゴースト”という敵役が出てきて、安っぽいことに、こいつはスーツごとすり抜けるし、本人のキャラクターも薄っぺらい。こういうコミック的なところを含めて、アントマンの世界観は前作から変わらず、これはこれで好き。アクションシーンにも驚くようなシーンはないけど、サイズを拡大・縮小できるということで、他のヒーロー物とは一味違ったものになっている。

♡ アントマンを取り巻くキャラもコミック的やしね。

♤ ただやはり、前作からのストーリーの継続性という点では戸惑いがあった。始まったとたん、スコットは自宅に軟禁されていて、ピム博士と娘のホープ(エバンジェリン・リリー)は逃走中のようで・・・とすぐには状況がつかめない。あとで調べてわかったけど、マーベルのキャラクターがクロスオーバーする作品は次のような時系列で並んでる。
・アントマン
・シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
・アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
・アントマン&ワスプ
シビル・ウォーはキャプテン・アメリカのシリーズ作品やけど、アベンジャーズのメンバーがアイアンマン組とキャプテン・アメリカ組に分裂して戦うという内容。『アントマン』は『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』にも登場していて、ここで負け組のキャプテン・アメリカ組に入っていたため逮捕され投獄。その後自宅での保護観察処分になっていたというわけ。
ちなみに、次の『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』ではアベンジャーズの半分が外敵ソノスによって消滅させられるという悲惨な話になるんやけど、謹慎中やったアントマンはここには出てこない。個別ヒーローもの以外に、アベンジャースや、クロスオーバーする他のヒーローものまで押さえておかないと筋が分からないというのはどんなもんかとも思うけど、観れば観るほど逃れられなくなってしまうのがマーベルの策略だろう。

♡ めんどくさいね。

♤ 恒例おまけ映像のネタバレになるけど、ラストでアントマンが量子世界から戻ってくると博士たちが居なくなってしまっていた・・・というシーンは『インフィニティ・ウォー』のヒーローの消滅を連想させる。2019年には『インフィニティ・ウォー』の続編、4作目のアベンジャーズが公開されるので、そこでアントマンが活躍するという伏線かなという気がする。

予告編

スタッフ

監督 ペイトン・リード
脚本 クリス・マッケーナ
エリック・ソマーズ
ポール・ラッド
アンドリュー・バレル
ガブリエル・フェラーリ

 

キャスト

ポール・ラッド スコット・ラング/アントマン
エバンジェリン・リリー ホープ・ヴァン・ダイン/ワスプ
マイケル・ペーニャ ルイス
ウォルトン・ゴギンズ ソニー・バーチ
ボビー・カナベイル ジム・パクストン
ジュディ・グリア マギー
ティップ・“T.I.”・ハリス デイヴ
デビッド・ダストマルチャン カート
ハナ・ジョン=カーメン エイヴァ/ゴースト
アビー・ライダー・フォートソン キャシー
ランドール・パーク ジミー・ウー
ミシェル・ファイファー ジャネット・ヴァン・ダイン
ローレンス・フィッシュバーン ビル・フォスター
マイケル・ダグラス ハンク・ピム

 

レクタングル336

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