レビュー

スパイダーマン ホームカミング(Spider-Man: Homecoming)

投稿日:

おすすめ度

スパイダーマン ホームカミングのポスターキット ♤ 3.0 ★★★
アイラ ♡ 3.0 ★★★

マーベル・コミックから、『スパイダーマン』『アメイジング・スパイダーマン』に続く3度目の映画化となる作品。2016年の『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』で初登場した後のスパイダーマンを描く。前作でトニー・スタークからもらった特製スーツを着ては街の人々を助ける放課後を送っていたピーター・パーカー。そこへスタークに恨みを抱く謎の敵が現れる。正式にアベンジャーズに仲間入りしたいと気がはやるピーターは、スタークの命を無視して戦いに挑むが…。悪役のバルチャーには『バットマン』出演経験もある『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のマイケル・キートン。監督は、ミュージックビデオ出身で『クラウン』『COP CAR コップ・カー』で注目された新鋭ジョン・ワッツ。

 

言いたい放題

アイラ♡ 次回作への踏み台として作られているのが丸見えなので、ちょっとポイントを下げてみたけど、とはいえとても楽しかった! 悪役もキャラが立ってたし、何といっても15歳に若返ったピーター・パーカーが文字通りの“中二病”。前作でアベンジャーズ間の争いというか内輪もめ(?)に参加して、キャプテン・アメリカの盾を奪ったことにきゃっきゃと興奮してたり、その様子を自撮りしてたり、おバカぶりがなかなか新鮮で好感が持てる。

キット♤ スパイダーマンの実写化としては6作目になるんやな。最初の3作はサム・ライミ監督、トビー・マグワイア主演。その後アンドリュー・ガーフィールド主演の『アメイジング・スパイダーマン』が2本製作されたけど、興行不振で続編が撮られなかった。満を持して撮られた本作は、マーベルのキャラクターがクロスオーバーする『マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)』の映画として再登場となった。なので、MCUでのリーダー格であるアイアンマンとキャプテン・アメリカがちょこっと出てくる。

♡ アイアンマンことトニー・スタークは、ピーターにとってはメンター的存在。まだまだ子供っぽいピーターの精神的支柱となって育てていくというのが、これからの筋書きの下地になっていくのやろね。

♤ 今までのスパイダーマンは、困難に遭遇しても一人で戦ってきたけど、いまは完全に見習い以前の扱い。本人は早くアベンジャーズに参加したいけど、スタークには「ご近所で頑張ってたらいい」と言われる始末。学校の中のシーンも多くて、前2作よりも学園ものの雰囲気が強くなったな。

♡ 賛否は分かれるのでしょうけど、青春映画のような作り。前2作のように悩み多き屈折キャラではなく、やたら無邪気でやたらちょこまか動くピーターは、親近感があってとても可愛い❤ かつてのマイケル J.フォックスを彷彿とさせるね。しかも『スター・ウォーズ』大好きときてる。ただ、未熟さゆえに失敗するピーターをスタークがいさめるという部分が多くて、スパイダーマンの話やのにアイアンマンが出すぎという違和感はあったかな。

♤ 悪役のバルチャーを演るのはベテランのマイケル・キートン。このバルチャーという役、原作のコミックでは緑色の翼を付けたハゲタカのような感じで見た目イマイチやねんけど、映画では2つのファンが組み込まれた脱着式の翼が金属的な質感で、かなり格好ええんやな。根っからの悪人ではなく、仲間を守るために悪の道に入ったという設定にしているところはマイケル・キートンに配慮してのことか?  マイケル・キートン自身、さかのぼればマーベルと対抗する大手コミックDCの主要キャラクターである『バットマン』に主演していたというのもおもしろい。

♡ マイケル・キートンの悪役ぶりはいい味わいやねぇ。個人的には、NYを舞台に一人で悪と戦う、従来のスパイダーマンのちょっとダークでビターな世界が好きやっただけに、MCUに組み込まれていくという流れはどうなのなぁという思いはある。他のシリーズも全部観ておかないとわからない小ネタも多いので、この路線で進むとマーベル作品の熱心なファン以外を置き去りにしかねないよね。

♤ 逆にマーベル好きには面白さが倍増するんやろけどね。今後はMCUの中で、スパイダーマンがアベンジャーズの一角として登場することも期待できそうで、それはそれで楽しみや。あと、フェリーやエレベーター、バルチャーとの戦いなどの特撮シーンはすごくよく出来ている。

♡ 新しいスパイダーマン・スーツもかっこええよ~! 

 

予告編

スタッフ

監督 ジョン・ワッツ
脚本 ジョナサン・ゴールドスタイン
ジョン・フランシス・デイリー
ジョン・ワッツ
クリストファー・フォード
クリス・マッケーナ
エリック・ソマーズ

 

キャスト

トム・ホランド ピーター・パーカー/スパイダーマン
マイケル・キートン エイドリアン・トゥームス/バルチャー
ジョン・ファブロー ハッピー・ホーガン
ゼンデイヤ ミシェル
マリサ・トメイ メイおばさん
ロバート・ダウニー・Jr. トニー・スターク/アイアンマン
ドナルド・グローバー アーロン・デイビス
タイン・デイリー アン・マリー・ホーグ
トニー・レボロリ フラッシュ
ローラ・ハリアー リズ
ジェイコブ・バタロン ネッド
アンガーリー・ライス ベティ

 

レクタングル336

レクタングル336

-レビュー

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

ライフのポスター

ライフ(Life)

おすすめ度 キット ♤ 3.5 ★★★☆ アイラ ♡ 3.0 ★★★ 火星で採取された未知の生命体。各国から集められた6人の宇宙飛行士が国際宇宙ステーションで研究調査を開始したが、生命体は急速に成長し …

Capharnaum

存在のない子供たち(Capharnaum)

おすすめ度 キット ♤ 4.0 ★★★★ アイラ ♡ 4.5 ★★★★☆ 長編デビュー作『キャラメル』で高く評価を得たレバノンの女性監督ナディーン・ラバキーが、中東の貧困・移民問題を描く。ベイルートの …

I, Tonya

アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル(I, Tonya)

おすすめ度 キット ♤ 3.5 ★★★☆ アイラ ♡ 3.0 ★★★ アメリカ人女性として初めてトリプルアクセルに成功し、冬季五輪に2度の出場を果たしたフィギュアスケート選手のトーニャ・ハーディング。 …

Nelyubov

ラブレス(Nelyubov)

おすすめ度 キット ♤ 4.0 ★★★★ アイラ ♡ 4.0 ★★★★ 『父、帰る』『裁かれるは善人のみ』など、ロシア社会の暗部や家族の愛憎を撮り続けるアンドレイ・ズビャギンツェフ監督が愛のない家族の …

「おとなの事情」のポスター

おとなの事情(Perfetti Sconosciuti)

おすすめ度 キット ♤ 3.0★★★ アイラ ♡ 4.0★★★★ イタリアのアカデミー賞に当たるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で作品賞、脚本賞を受賞したコメディー。古い付き合いの男女7人が集まった食事 …