おすすめ度
キット ♤ 3.0 ★★★
アイラ ♡ 3.0 ★★★
チャイコフスキーのバレエ組曲「くるみ割り人形」を下敷きに、くるみ割り人形に導かれて不思議な世界に迷い込んだ少女の冒険を描く。監督は『ギルバート・グレイプ』などのラッセ・ハルストレムと『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』のジョー・ジョンストン。愛する母を亡くしたクララは、物理学が得意な少女。あるクリスマスイブの夜、叔父の家で開かれたパーティで不思議な部屋へ迷い込み、くるみ割り人形に導かれて魔法のような王国に足を踏み入れる。「花の国」「雪の国」「お菓子の国」「第4の国」という王国からなる世界でクララはプリンセスと呼ばれるが、「第4の国」の反乱による戦いに巻き込まれていく。主演は『インターステラー』のマッケンジー・フォイ。キーラ・ナイトレイ、モーガン・フリーマン、ヘレン・ミレンら豪華キャストが脇を固め、ミスティ・コープランドとセルゲイ・ポルーニンというバレエ界のトップスターが優雅な舞いを見せる。
言いたい放題
キット♤ 『くるみ割り人形』といえばチャイコフスキー作曲のバレエ組曲。それ以外どんな筋書きなのかも知らずに観に行ったが、あとで調べてみると、大もとの原作は「くるみ割り人形とねずみの王様」という童話。それがバレエ化されたものやった。原作とバレエのストーリを確認も、この映画とは全く違うものやった。本作は、つまり「くるみ割り人形」を原案とした別の物語。もちろん、バレエ映画でもなかった。
アイラ♡ チャイコフスキーの『くるみ割り人形』バレエ組曲は子どものころの私の愛聴盤で、何度聴いたかわからないほど。「序曲」や「花のワルツ」のようなたっぷりしたものもいいけど、何といっても魅力は「金平糖の精の踊り」や「アラビアの踊り」「葦笛の踊り」などの小品。同じディズニー制作で『ファンタジア』という1940年代のアニメ映画でも『くるみ割り人形』のアニメ化を行っていて、こんなシーンがたくさんあるかなと期待してたんやけど、そうではなかったわね。
♤ まったく独自の筋書きやな。逆にいえば『くるみ割り人形』の予備知識は必要ない。でも堅実なストーリーの組み立て、キャスティング、実写とCGの融合など、ディズニーが作るとこうなるというような典型的ファンタジー映画で、うまく作られてると思う。公開時期もクリスマス・シーズンで、大作ではないが押さえどころを押さえて外してない。
♡ 『くるみ割り人形』そのものとは関係ないとはいえ、マリアが迷い込む不思議な国にはくるみ割り人形の兵士がいるし、鉛の兵隊たちが出てくるのも原作へのオマージュということかな。さまざまな場面の背景にもこの組曲から有名な曲が使われていて、『くるみ割り人形』の世界観はそれなりに維持されてる。
♤ ラストでは、現代のバレエ界でトップクラスのミスティ・コープランドとセルゲイ・ポルーニンが2人で踊るシーンもあるしな。主演は、4年前に『インターステラー』でマシュー・マコノヒーの娘を演じたマッケンジー・フォイやけど、それ以外にモーガン・フリーマンやヘレン・ミレン、キーラ・ナイトレイ、マシュー・マクファディンなど、主役を張れる役者で脇を固めているので、このクラスの作品としては豪華。モーガン・フリーマンは友情出演程度の出番やったけど。
♡ ヘレン・ミレンもキーラ・ナイトレイも、いつもとは違う役柄を楽しんでいるような雰囲気やったし。
♤ キーラ・ナイトレイはちょっとエキセントリックなキャラクターで、従来のイメージと違う一面を見せていてよかったな。
♡ まぁ優良なお子様向け映画の域は出ないという感じではあったけれど、そこはディズニーのお家芸。CG処理はさすがの迫力だったし、安心して子どもさんたちに勧められる作品ってことで! あと、クララが実は理系女子で、頭脳と勇気で窮地を脱するという設定がいま風ではあるわね。
予告編
スタッフ
監督 | ラッセ・ハルストレム |
ジョー・ジョンストン | |
原案 | アシュリー・パウエル |
脚本 | アシュリー・パウエル |
キャスト
マッケンジー・フォイ | クララ・シュタールバウム |
キーラ・ナイトレイ | シュガー・プラム |
モーガン・フリーマン | ドロッセルマイヤー |
ヘレン・ミレン | マザー・ジンジャー |
ミスティ・コープランド | バレリーナ・プリンセス |
セルゲイ・ポルーニン | スイーツ・カヴァリエ |
エウヘニオ・デルベス | ホーソーン |
ジェイデン・フォーラ=ナイト | キャプテン・フィリップ |
マシュー・マクファディン | ベンジャミン・シュタールバウム |
リチャード・E・グラント | シヴァー |
エリー・バンバー | ルイーズ |
トム・スウィート | フリッツ |
アンナ・マデリー | マリー・シュタールバウム |