レビュー

キャプテン・マーベル(Captain Marvel)

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Captain Marvel

キット ♤ 3.0 ★★★
アイラ ♡ 3.0 ★★★

マーベルコミックのヒーローたちが集まる「アベンジャーズ」シリーズに連なる「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」作品。舞台はアベンジャーズ結成以前の1995年、ロサンゼルスのビデオショップの屋根にひとりの女性が落ちてくる。過去の記憶を失い、ときおり身に覚えのない光景がフラッシュバックとして押し寄せてくる彼女は、実は驚異的な力の持ち主だった。やがてその記憶に隠された秘密を狙って謎の敵が近づき、彼女は大きな戦いへと挑んでいくことになる。アベンジャーズ結成の立役者となる若い時代のニック・フューリーも登場。アベンジャーズ誕生へつながるヒーローの物語が明らかにされる。キャプテン・マーベルには『ルーム』でアカデミー主演女優賞を受賞したブリー・ラーソン。ニック・フューリー役のサミュエル・L・ジャクソン、ジュード・ロウなどが共演。

 

言いたい放題

アイラ♡ アベンジャーズ誕生のきっかけが描かれ、『アベンジャーズ/エンドゲーム』へと繋がる物語とのことやけど、それはさておきキャプテン・マーベルってめちゃくちゃ強くない?(笑)

キット♤ 「キャプテン・マーベル強すぎ、これあかんやろ!」っちゅうのが観ての第一印象。ジャスティス・リーグの中ではスーパーマンがダントツに強いけど、クリプトンという弱点を持っていた。一方キャプテン・マーベルは、アベンジャーズのスパイダーマン、キャプテン・アメリカ、アイアンマン、アントマン、ブラックパンサーなどと比べても桁違いに強い感じがして、どうもバランスが良くない。マーベル・コミック原作の実写映画には、スーパーヒーロ単独で主演するものと、アベンジャーズとして総出演するものとがあるけど、これは前者。主人公のキャプテン・マーベルは初登場で、女性が単独主人公というのも初めてではあるけど、しかし強すぎるわ。

♡ けど、なんかやたらかっこいいし、戦いっぷりも素早くてそのくせキュートで、私はけっこう気に入ったけど。時系列的には、最強ヒーローが一番最初にいたというのがなんか不自然ではあるわね。

♤ 原作コミックでのオリジナルのキャプテン・マーベルは男で、2代目が女性やったらしいけど、実写化にあたっては最初から女性のキャロル(ブリー・ラーソン)がキャプテン・マーベルとして登場。アベンジャーズ誕生の前日譚ということで、アベンジャーズとの関係も作中で明らかになっていく。設立者のフューリー(サミュエル・L・ジャクソン)が若い姿で登場。メイクで顔を作ったのかと思ったけど、CGで25年分若返らせたらしい。フューリーが片目になったいきさつも映画の中で明らかになる。

♡ あれは邪悪なエイリアンの仕業やねん。

♤ ストーリー自体はシンプルで、悪者然としているスクラル人が実は被害者で、善い者に見えたクリー人が実は加害者だったという捻り以外は特にこれということなく話は進む。物語としての面白味にはそれほど期待できないけど、キャロルが落ちてきたビデオショップが今はなきブロックバスターだったり、キャロルとフューリーがポケベルで連絡を取り合うなど小ネタが面白い。ローソン博士として地球に潜入していたクリー人の名前が「マー・ベル」だったりしてちょっと混乱しそうやったけど。

♡ そうね。観ればそれなりに面白いのやけれど、物語自体にはたいして新味はない。ただ大きなストーリーの流れとしては、ここから間もなく公開される『アベンジャーズ/エンドゲーム』へと続くわけよね。これだけ強かったら、彼女ひとりでサノスやっつけられそうやね。

♤ 映画のポスターには、生き残りったアベンジャーズに混ざってキャプテン・マーベルがきっちり入っている。メンバーが半分に減り、ボロボロ状態のアベンジャーズに強力な助っ人・・・ってことなんやろけど、ちょっと都合良すぎるのんちゃうか?  サノスにも強い応援が来るんやろか? という具合に次の映画へ引っ張るところがディズニーの上手さというかいやらしいところではあるな。

♡ ところでマーベルものの決まりごとというか、映画の冒頭に現れるマーベルロゴの中に一連のヒーローたちが次々出てくるのやけど、今回はおじいちゃんやった。これが60年代にマーベルのスーパーヒーローコミックの原作を手がけ、2018年に亡くなったスタン・リーという人物。本作は彼へのトリビュートの意味もあって、オープニングロゴの仕掛けもその一環。オープニングが終わると「Thank you Stan.」と現れるので、関係者の追悼なんやろなと思ったけど、そういう事情でした。MCU作品には毎回ちらりとカメオ出演することで知られていたそうで、今回もどこかに出てるらしいよ(列車のなかで本を読んでいる乗客らしい・・・)。

♤ 主演のブリー・ラーソンは『ルーム』でアカデミー主演女優賞を獲得。オスカー俳優が普通にマーベルのスーパーヒーロ役を演るというところに時代の流れというか、ディズニーの商売の上手さを感じてしまう。

♡ ほかにもサミュエル・L・ジャクソンはもちろん、ジュード・ロウ、アネット・ベニングなど一流どころが名を連ねているし、アベンジャーズ全体を観ても旬の俳優をどんどん投入できる資金力を感じるわね。まだまだ彼らの時代は続くか・・・。

♤ けど、一番人気はネコのグースかな。DCのワンダーウーマンに対抗してマーベルも女性の主人公をというところなんやろけど、本作は共同監督の一人、共同脚本の二人、音楽担当が女性ということで、スタッフにも女性が多い。昨今のハリウッドの潮流に乗った映画といえるかもしれない。

 

予告編

スタッフ

監督 アンナ・ボーデン
ライアン・フレック
原案 ニコール・パールマン
ジョー・シュラプネル
アナ・ウォーターハウス
脚本 アンナ・ボーデン
ライアン・フレック
ジェニーバ・ロバートソン=ドワレット
ジャック・シェイファー

 

キャスト

ブリー・ラーソン キャプテン・マーベル
サミュエル・L・ジャクソン ニック・フューリー
ベン・メンデルソーン タロス
ジャイモン・フンスー コラス
リー・ペイス ロナン
ジェンマ・チャン ミン・エルヴァ
アネット・ベニング ウェンディ・ローソン
クラーク・グレッグ フィル・コールソン
ジュード・ロウ スター・フォースの司令官

 

レクタングル336

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