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セラヴィ!(Le sens de la fete)

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Le sens de la fete

キット ♤ 3.5 ★★★☆
アイラ ♡ 3.5 ★★★☆

『最強のふたり』のエリック・トレダノ&オリビエ・ナカシュ監督による3作目。30年の経験をもつウェディング・プランナーのマックスは、私生活や時代の変化への疲れからそろそろ引退を考えていた。ピエールとヘレナのカップルからパリ郊外の古城での豪華な結婚式を依頼され、準備万端整えて当日に臨んだマックスだったが、ウェイターはぴしっとせず、代役にやってきたバンドはワンマンショー気取り、準備した食材は管理の不備で腐敗・・・とトラブルが続出。新郎ピエールのナルシストぶりがそれに拍車をかけ、結婚式は大惨事と化そうとしていた。主人公マックス役に『みんな誰かの愛しい人』のジャン=ピエール・バクリ。『この愛のために撃て』のジル・ルルーシュ、『愛しき人生のつくりかた』のジャン=ポール・ルーブ、『夜明けの祈り』のバンサン・マケーニュらが共演。

 

言いたい放題

アイラ♡ 隅々にまで小粋な風刺を効かせたフレンチ・コメディ。随所に「あるある」感が漂って、しかもフランス流というのか適度な毒と皮肉を含んでるのがいい味わい。『最強のふたり』の突き抜けた明るさとは違って、こちらは次々と襲ってくるトラブルに頭を抱え続けるマックス(ジャン=ピエール・バクリ)と、それをどうにか打開していく彼の辣腕(?)がおかしみを醸し出してて結構気に入りました。

キット♤ 結婚式のプランニングとプロモーションを手がける会社の社長マックスと、彼のスタッフが執り行う結婚式当日の準備から完了までのドタバタ劇。スタッフ同士の仲違い、縁故採用の素人ウェイター、客に手を出す不良カメラマン、食あたり、電力不足など次々と起こるトラブルをなんとか処理しながらしのいでいく。

♡ しかも彼は、部下の女性と不倫して妻とうまくいっていないし、そろそろ仕事から足を洗いたいと思ってるし、依頼人のピエールって兄ちゃんはすこぶるつきのナルシストで自分のことしか見てないし、何もかもがちょっとずつ噛み合ってない感じで全体が進んでいくのが実にユーモラス。

♤ 結婚式を舞台とした映画というと、ロバート・アルトマンの『ウェディング』を思い出すが、結婚式に参加する種々雑多な人々が起こすカオスという点では似ているところがある。ただ、結婚式の参列者じゃなくて、裏方のスタッフの視点で作られているところが斬新かな。主要登場人物の顔とキャラクターを覚えられるくらいの人数に抑えたところが良かったと思う。

♡ 私にはちょっと多すぎて、識別できるまでちょっと時間がかかった。でもスタッフたちの個性的なこと。フランス人の個人主義と思えばいいのかしらね。そこにフランス人を俯瞰しながら揶揄する、不思議なパキスタン人たちが加わってくるオフビート感もおもしろい。バラバラなようでいて絶妙のチームワークで難局を乗り切っていくし、そんな彼らが作り出すラストシーンは素敵。

♤ これを単純にコメディと言ってしまうにはちょっと抵抗があるけど、随所に笑いどころはあって、上映中も時おり笑い声が漏れ聞こえてた。脚本はかなり綿密かつ丁寧に作られていると感じたけど、ストーリー自体はコメディと割り切ったかのようなシンプルであっさりとした展開やしな。仲の悪かったはずのアデル(アイ・アイダラ)とジェームス(ジル・ルルーシュ)が無理やりハグさせられた途端に仲良くなるところとか、終盤の風船のシーンなどコメディ映画なら許されるところを最大限利用している。『最強のふたり』と製作スタッフもかなり重なってるということなので、押さえるところは押さえてるって感じやな。

♡ 『最強のふたり』ほどはっきりとは描いてないけど、難民や労働問題などもテーマになってるしね。彼らが一緒に音楽を奏でるラスト近い場面はいい仕掛けやったと思う。あと、バックに使われていたのがイスラエル出身のアヴィシャイ・コーエンというジャズ・ベーシストの曲ということで、これは一聴の価値あり。最近も来日していたそうで、聴き逃してしまったわね。ただ、ピエールとヘレナはきっとすぐに別れると思うけど・・・。

 

予告編

スタッフ

監督 エリック・トレダノ
オリビエ・ナカシュ
脚本 エリック・トレダノ
オリビエ・ナカシュ

キャスト

ジャン=ピエール・バクリ マックス
ジャン=ポール・ルーブ ギイ
ジル・ルルーシュ ジェームス
バンサン・マケーニュ ジュリアン
アイ・アイダラ アデル
スザンヌ・クレマン ジョジアーヌ
アルバン・イワノフ サミー
バジャマン・ラベルヌ ピエール
ジュディット・シュムラ エレナ
エレーヌ・バンサン 新郎の母

レクタングル336

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